軽貨物運送業の開業に必要な営業ナンバーを取得する方法とメリット
貨物軽自動車運送事業(以下、軽貨物運送業)を始めるためには、使用する軽自動車のナンバープレートを黃色から黒色に変更しなければなりません。 黒色のナンバープレートへの変更は、運輸局へ軽貨物運送業を始める旨の申請が必要です。
ここでは、軽貨物運送業を始めるにあたって、必要となる書類や申請までの流れについて詳しく紹介していきます。 また、取得した黒色のナンバープレートは、黃色のナンバープレート(以下、黃色ナンバー)と比べて車検の期間や自動車重量税などで違いがあります。
軽貨物運送業を始める人は、これらの違いについても理解しておきましょう。
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軽貨物運送業の開業に必要なものとは?
軽貨物運送業の開業には、黒色のナンバープレート(通称「黒ナンバー」)が必須です。 一般の軽自動車に取り付けられている黃色ナンバーでは、軽貨物運送業として仕事を請け負うことが許されていないからです。
この黒ナンバーは「軽自動車検査協会」で交付してもらうことになるのですが、そのためには「事業用自動車等連絡書」が必要になります。 「事業用自動車等連絡書」は、本拠地(仕事を始める場所)を管轄する府県の運輸支局で交付してもらいます。
まるで、童話「わらしべ長者」のような煩雑な手続きだと思えるかもしれませんが、実のところ普通自動車以上の車を使った運送業よりも手続きの流れは少なく、自動車免許を除いて特別な試験も必要ありません。 申請自体は、事業の開始を通達する「届出制度」であるため、書類上の不備がなければ、ほとんどの人が受理されるはずです。
では、以下に軽貨物運送業を始めるために必要なものをまとめていきましょう。
軽貨物運送業を始める際に必要なもの
軽貨物運送業を始めるためには、以下のものが必要となります。
- 普通自動車免許証
- 登録用の軽貨物車両
- 車検証または完成検査終了証
- 貨物軽自動車運送事業経営届出書
- 運送約款(標準約款を使用する場合に限り添付は必要ない)
- 貨物軽自動車運送事業運賃料金表(運賃料金表)
- 事業用自動車等連絡書
普通自動車免許証
大前提として、軽貨物運送業を始める人には「普通自動車免許」が必須となります。
もちろん、軽自動車を運転できれば良いので、普通自動車以上の免許証でも問題ありません。
登録用の軽貨物車両
軽貨物運送業の事業を始めるためには、仕事として使用する軽貨物車両(軽自動車)が必要です。 私用で軽自動車を所有しているのなら、その車両を軽貨物運送業に使うのが、費用を抑えられるのでお勧めです。
所有している車両が普通自動車以上、あるいは自動車そのものを所有していないときは、新たに仕事用の軽自動車を用意しなければなりません。
車検証または完成検査終了証
仕事で使用する軽自動車の「車検証」です。
新たに新車を用意する場合は、「完成検査証明書」を提出することになります。どちらも原本ではなく、コピーされたもので問題ありません。
貨物軽自動車運送事業経営届出書
運輸局へ軽貨物運送業を始めることを届け出るための書類です。
各運輸支局へ赴けば用紙を手に入れられますが、運輸局のWebページから様式をPDFデータでダウンロードすることもできます。 用紙を取りに行くためだけに運輸局へ足を運ぶのは手間なので、申請することになる運輸局のWebページからPDFデータを印刷して、必要な内容を記載しておきましょう。
東京運輸支局のWebページからダウンロードできる様式のPDFデータには、2枚目に書き方の注意点が示されています。 なお、2枚目に記された書き方の注意点は、各運輸支局によって内容が異なっています。記述内容がわからないときは、他の運輸支局から閲覧できるPDFデータを参考にするのも良いでしょう。
また、東京運輸支局の様式には、記載の必要な部分に赤枠が設けられています。他の運輸支局からダウンロードできるPDFデータには、赤枠が設けられていない場合もあります。 記載するときに赤枠が邪魔だと感じている人は、他の運輸支局からダウンロードできるPDFデータを使いましょう。
「貨物軽自動車運送事業経営届出書」は、提出する正本と控え(コピーで可)の2部を用意しておいてください。
※関東運輸支局のWebページからダウンロードできる貨物軽自動車運送事業経営届出書のPDFデータには、書き方の注意点が記述されています。 ※同じ貨物軽自動車運送事業経営届出書のPDFデータでも、各運輸支局によって書き方の注意点が異なっています(画像は大阪運輸支局のもの)。書き方がわからないときは、他の運輸支局のPDFデータも参照してみましょう。運送約款
軽貨物運送業で荷物を運搬するとき、荷主と交わす詳細な契約条件についての書類です。
基本的に、運転約款を自分で作成することはありません。国土交通省が用意している標準の運送約款を使用します。
「標準貨物軽自動車運送約款」が通常の運送業、「標準貨物軽自動車引越運送約款」が引越業務用として用意された約款です。 標準約款を使用する場合は、貨物軽自動車運送事業経営届出書の該当する部分にチェックしておくだけで、申請時に添付する必要もありません。
ただし、運転約款は事業を始めるとき、営業所に提示しておく義務があります。必ず国土交通省のWebページからPDFファイルを印刷して、目を通しておきましょう。
貨物軽自動車運送事業運賃料金表(運賃料金表)
依頼主から運送の仕事を請け負ったとき、代価として請求する料金について「貨物軽自動車運送事業運賃料金表(運賃料金表)」で提示しておく必要があります。
各運輸支局が「貨物軽自動車運送事業運賃料金表」のひな形を用意してくれています。そのまま利用すると申請書類の作成作業が短縮できます。
ただし、初めて軽貨物運送業を始める人は、基本的に運送会社などから仕事を請け負うことになります。 契約する運送会社から報酬を得ることになるため、運輸支局へ提出する運賃料金表について思案する必要はありません。
関東運輸支局のひな形は空欄ですが、他の運輸支局には料金も含めた見本が用意されています。料金について、そのまま利用させてもらうのが賢いやり方と言えるでしょう。
こちらの書類は、提出する正本と控え(コピーで可)の2部を用意しておいてください。
※大阪運輸支局が用意している貨物軽自動車運送事業運賃料金表(運賃料金表)の運賃料金設定例です。運賃料金の空欄になったPDFデータも取得できます。事業用自動車等連絡書
軽貨物運送業で使用する軽自動車の詳細を記した書類です。車検証を見れば、記入する車両番号や年式などがわかります。
登録した軽自動車は、許可なく売却や廃車できなくなります。売却や廃車したいときは、同じ用紙を使って軽自動車の登録廃止手続きが必要となります。
※事業用自動車等連絡書の様式は、運輸支局のWebページからダウンロードできます。軽貨物運送業で営業ナンバーを取得する方法とメリット
繰り返しになりますが、個人で軽貨物運送業を始めるためには、黒色のナンバープレート(黒ナンバーあるいは営業ナンバーとも呼ばれる)の取得が大前提です。 前述で用意した書類をしかるべき場所へ提出して、黒ナンバーを取得してください。
書類の提出先は管轄する運輸支局へ持っていく
用意した書類は、本拠地(仕事を始める場所)を管轄する府県の運輸支局に提出します。
本拠地とは、軽貨物運送業を開業する仕事場のことです。「貨物軽自動車運送事業経営届出書」の「営業所の名称および位置」に記入した住所にあたります。 ほとんどの場合、個人で軽貨物運送業を始める人ならば、自宅が本拠地となるでしょう。
都内に住んでいる人ならば、「関東運輸局 東京運輸支局」へ届け出ることになります。記入ミスや記載漏れがあったときは、受付の人が指摘してくれます。 その場で書き直す可能性を考慮して、必ず書類に捺印する印鑑も持っていくべきです。
問題なく届出が受理されると、受理証の印が押された「貨物軽自動車運送事業経営届出書」と発行番号が付与されます。
黒ナンバーは軽自動車検査協会で交付してもらう
軽貨物運送業に欠かせない黒ナンバーは、運輸支局とは異なる場所で交付してもらいます。
受理証の印が押された「貨物軽自動車運送事業経営届出書」と発行番号、納税申請書、住民票(または印鑑証明)、実印、黃色ナンバーを用意して運輸支局に指定された「軽自動車検査協会」で黒ナンバー交付の手続きを行います。
黒ナンバーを交付してもらうためには、事前に交付されている黃色ナンバーの返納が条件となります。 仕事で使う軽自動車を使って軽自動車検査協会へ移動したいときは、軽自動車検査協会の駐車場に停めてから、黃色ナンバーをドライバーで取り外しましょう。
書類が揃っていれば、問題なく黒ナンバーが交付されるはずです。
営業ナンバーを軽自動車で取得するメリット
「運送業を始めるのなら、軽自動車ではなく、いっそ普通トラックなどの普通自動車で始めたほうが多くの荷物を積めるから稼げるのでは?」と思う人もいるでしょう。 たしかに、手間が少し増える程度であれば、普通自動車での運送業を推奨するべきなのでしょうが、ここまで紹介してきた軽自動車に限定される「軽貨物運送業」と普通自動車以上の運送業(「一般貨物自動車運送事業」および「特定貨物自動車運送事業」)とでは、事業を始めるまでの敷居の高さに圧倒的な差があります。
個人で運送業を始めたいのであれば、普通自動車での運送業は、現実的にまず不可能だと思ってもらって間違いありません。
まずは、両者の違いを比較して、個人で営業ナンバー(黒ナンバー)を取得するメリットについて確認しておきましょう。
軽自動車なら1台でも申請できる
普通車以上の運送業を始めるときは、種別ごとに5両以上を用意する必要があります。軽貨物運送業であれば、軽自動車を1台用意するだけで始められます。
この条件だけでも、普通車以上の運送業を個人が始められないことがわかります。
普通車と比べて短期間で取得できる
普通車以上の運送業は、許可制による申請となり、新規許可申請から許可処分が通達されるまでだけでも数カ月かかります。
そこから運行管理者や整備管理者の選任届、運輸開始前の確認報告、車両の登録、運賃料金設定などを申請して、許可から1年以内に事業を始めることになります。 新規許可申請から許可処分までの期間には法令試験や書面審査も必要となり、もちろん試験に合格しなければ申請が許可されることもありません。
一方、軽自動車による軽貨物運送業であれば、申請は届出制となり、書類を提出して黒ナンバーを取得すれば、すぐにでも事業が始められます。
事業を始められる期間だけでもこれだけ差があるのです。
普通車で取得する際にはかかってしまう登録免許税が不要
普通車以上の運送業を始める場合、「一般貨物自動車運送事業」では12万円、「特定貨物自動車運送事業」では6万円の登録免許税が必要となります。 軽貨物運送業では、この登録免許税が不要です。
軽貨物運送業の事業を始めるまでに必要な金額は、軽自動車の準備や保険代などを除けば、大きなものでナンバープレートの取得代1,440円(手続きする軽自動車検査協会によって値段は異なる)くらいです。
営業ナンバーを取得することで自家用軽自動車より税額が安くなる
自家用車として利用する黃色ナンバーの軽自動車税(地方税)は、特定条件による軽課税率の対象となる車両を除いて、平成27年3月31日以前に新規取得された新車で年7,200円、平成27年4月1日以降に新規取得された新車で年10,800円、最初の新規検査から13年を経過したものでは年12,900円になります。
一方で、黒ナンバーを取得した貨物用の軽自動車は、同じ条件でそれぞれ年3,000円、年3,800円、年4,500円となります(乗用車の黒ナンバーでは、同じ条件でそれぞれ年5,500円、年6,900円、年8,200円。乗用車の黒ナンバーについては後述)。
また、自動車重量税(国税)でも黒ナンバーは優遇されます。車種によって変化するエコカー減税を考慮しなければ、黃色ナンバーの場合、新車購入から最初の車検までの3年間は年7,500円(本則税率)、続く車検までの2年間は年5,000円(本則税率)となります。
たとえば50%のエコカー減税が適用される車両の場合、実際に支払うのは、それぞれ3,700円と年2,500円となります(平成26年4月1日から平成29年4月30日までの期間中、新車新規登録等時に免税を受けた自動車については、初回継続検査等時に納付すべき税額が免税となる。 また、平成24年5月1日から平成26年3月31日までの期間中、新車新規登録等時に免税を受けた自動車については、初回継続検査時に納付すべき税額が50%軽減となる)。
エコカー減税適用無しの車両であれば、同じく新車購入から最初の車検までの3年間は年9,900円、続く車検までの2年間は年6,600円です。
これが営業ナンバーを取得した事業用軽自動車の場合、新車購入であっても2年間毎の車検が義務付けられることになり、エコカー減税が適用される本則税率なら年5,000円、エコカー減税適用無しの車両であれば年5,200円です。
たとえば50%のエコカー減税が適用される車両の場合、実際に支払うのは黃色ナンバーの2年継続と同じ年2,500円となります。 エコカー減税が適用される車両では同額または僅かな差かと思われますが、エコカー減税適用無しの車両を使うときは、半額近くまで安く自動車重量税を抑えることができるのです。
ちなみに、自動車重量税は車検のタイミングで年数分だけ、まとめて納税する決まりです。 黒ナンバーを取得したときは、必ず支払っている差額分の自動車重量税を還付手続きしておきましょう。
事業用軽貨物の車検について知っておきたいこと
自動車重量税の項で、「黒ナンバーは2年毎での車検が義務付けられる」と記述しました。このように、黒ナンバーと黃色ナンバーでは、車検に関する部分で違いが出てきます。
軽貨物運送業を始める人にとって、これらの違いは知っておくべき重要な項目です。改めて、ここでまとめておきましょう。
自家用軽自動車(黃色ナンバー)との違い
軽(小型)自動車は、大きく「乗用車」と「貨物車」の2種類に分類できます(ここでは「特殊用途車」は除く)。 積載能力や耐久重量(タイヤの強度)などの細かい規定で分類されており、どちらの車両なのかによってナンバープレートの分類番号(地域名の横にある番号)が振り分けられます。
乗用車なら一桁目が5または7ナンバー、貨物車なら一桁目が4または6ナンバーとなります。 そして、自家用車なら地色が黃色のナンバープレート(黃色ナンバー)、事業者が事業目的に使うときは地色が黒色のナンバープレート(黒ナンバー)が交付されます。
軽貨物運送業を始めるときは、多くの場合で積載能力の高い貨物車を選択することになりますが、もちろん乗用車であっても問題ありません。
乗用車と貨物車は、車両本体の価格やエコカー減税の有無だけでなく、軽自動車税が違ってくるので気を付けてください。
そして、車検の期日については、黃色ナンバーと黒ナンバーの車両で違いが出てきます。 貨物車である黒ナンバーは日々の業務で使うため、一般の乗用車よりも時間あたりの走行距離は長くなり、車両への負担が高くなると想定できます。 そのため、黒ナンバーの貨物車では、新車であっても最初の車検期日が2年間に短縮されています(黃色ナンバーの場合、新車購入時は最初の車検期日が3年間)。
とはいえ、2回目からの車検期日は、黒ナンバーと黃色ナンバーに関わらず2年間です。新車購入時の人だけ注意しておけば問題ありません。
ちなみにハイエースバンなど、4または6ナンバーが割り振られている普通車の小型貨物車(長さ4.7m以下、幅1.7m以下、高さ2.0m以下の車両サイズで、エンジンの総排気量が660~2,000cc以下に該当する車両)では、新車購入時の車検期日は2年間、以後の車検期日は1年間となっています。
また、車検時に支払う「法定費用」についても両者で異なります。 法定費用は「法律で定められた費用」であり、原則として、どの車検代行会社へ車検を依頼しても、この部分の金額が変わることはありません。 この金額は、「自動車重量税+自動車損害賠償責任保険(または共済)+申請手数料(検査印紙代)」を合計したものです。
自動車損害賠償責任保険(または共済)(24カ月では25,070円)と申請手数料(検査印紙代=1,400円)の部分については、黃色ナンバーと黒ナンバーで同一となっていますが、前項で示したとおり、残りの自動車重量税だけは黒ナンバーのほうが安くなっています。
つまり、合算すると黒ナンバーのほうが法定費用は安くなる計算です。
手続きに必要なものは家庭用の軽自動車と同じ
続いて、具体的な車検の手続きについてですが、実のところ黒ナンバーと黃色ナンバーで違いはありません。 黒ナンバーを取得していても、車検の手続き自体は自家用車の黃色ナンバーと同じです。
ここでは、自動車の使用者が車検を受ける(ユーザー車検、あるいは持込車検とも呼ばれる)場合について、必要な書類などを紹介していきましょう。
ユーザー車検を受けたいときは、自身で軽自動車検査協会の事務所または支所へ連絡して、事前の予約を入れる必要があります。 たとえば、東京都に住んでいる人なら「東京主管事務所」「東京主管事務所 練馬支所」「東京主管事務所 足立支所」「東京主管事務所 八王子支所」「東京主管事務所 多摩支所」のいずれかになります。
その際、車検時に必要な書類は以下の6枚です。
- 軽自動車納税証明書
- 自動車重量税納付書
- 自動車損害賠償責任保険証明書または自動車損害賠償責任共済証明書
- 定期点検整備記録簿
- 継続検査申請書軽第3号様式または軽専用第2号様式
- 自動車検査証
各種納税および支払い証明書
前項までに説明した税金と保険の証明書が、それぞれ「軽自動車納税証明書」「自動車重量税納付書」「自動車損害賠償責任保険証明書または自動車損害賠償責任共済証明書」の3枚です。
これらは、納税あるいは保険料を支払ったときに渡されているはずなので、必ず原本を用意してください。
※それぞれ順に、「軽自動車納税証明書」「自動車重量税納付書」「自動車損害賠償責任保険証明書」のサンプルです。 納税あるいは保険に加入して保険料を支払っていれば、すべて手元に保管されているはずです。定期点検整備記録簿
定期点検整備記録簿は、24カ月点検(56項目)や12カ月点検(26項目)の法定検査を行った内容を記録するための用紙です。
軽自動車を含めて基本的に自動車は、道路運送車両法第48条によって定期的な点検が義務付けられています。 新規の場合は車両を購入したとき、2回目以降の継続車検なら、ディーラー・整備工場(指定・認証・民間含め)・ガソリンスタンドなどで受けたときに定期点検整備記録簿を受け取っているはずです。
ただし定期点検は、必ずしも車検のタイミングで実施する必要はありません。 後検査(車検前に点検整備)を行う場合に必要な書類ですが、前検査(車検後に点検整備)で車検を受けるときには不要です。
※2年(24カ月)定期点検整備記録簿のサンプルです。ほとんどの場合、車両ダッシュボード内の「メンテナンスノート」に納められています。継続検査申請書軽第3号様式または軽専用第2号様式
ユーザー車検を受けるときは「継続検査申請書軽第3号様式または軽専用第2号様式」を記入して提出します。 3号様式と2号様式は、「3号様式のほうだと他の申請書としても使える」という違いくらいです。
どちらもコンピュータに読み込む用紙なので、印刷したものは使えません。所轄の軽自動車検査協会で入手できるので、車検当日にもらってから記載しても大丈夫です。
※継続検査申請書軽第3号様式のサンプルです。3号様式と2号様式どちらとも、記載する内容に違いはありません。自動車検査証
自動車検査証は、車両における所有者や使用者の公証、および検査時点において自動車保安基準に適合していることを証明する公文書です。車検時には、コピーではなく原本が必要となります。
※自動車検査証のサンプルです。ほとんどの場合、車両ダッシュボード内の「メンテナンスノート」に納められています。このほか、放置違反などで罰金を滞納して、公安委員会から督促を受けたことのある自動車の使用者は、放置違反金を納付または徴収されたことを証明する書面も必要です。
また、タカタ製エアバックの車検停止措置対象車両は、改修後に交付される改善措置済証も必要です。当日は不測の事態を考慮して、捺印した印鑑も持参しておきましょう。
軽自動車検査協会のチェックリストを利用するのが便利
軽自動車検査協会のWebページでは、継続検査を持ち込み検査で行うために必要な書類のチェックリストがPDFファイルで用意されています。 ユーザー車検を行う人は、こちらのファイルを印刷して利用しましょう。
※軽自動車検査協会では、持ち込みで継続検査する人向けのチェックリストを用意してくれています。 必要な書類を忘れると二度手間になるため、印刷して利用しましょう。ユーザー車検のメリットとデメリット
自身で行うユーザー車検は、検査ラインで指示された検査項目を自らがチェックするため、ある程度の車に関する知識が必要です。
また、検査ラインの項目すべてに合格しなければなりません。 検査で不具合箇所が出てきて不合格となった場合は、その項目を直して再検査することになります(同日なら初回を含めて3回まで再検査可能)。
それほどに面倒なユーザー車検ですが、それを覆すだけのメリットが「車検にかかるお金」です。
ディーラーや整備工場へ車検を依頼すると、24カ月点検・完成検査料・代行手数料で数万円ほどプラス(上記した法定費用は別)されてしまいますが、ユーザー車検ならば、必要な金額は持込検査費用の1,400円だけに抑えられます。
圧倒的に安く抑えられるのが、ユーザー車検を受ける最大のメリットと言えるでしょう。
ディーラーや車検代行業者に依頼する方法もある
上記したとおり、ユーザー車検は安く抑えられる反面、車に関する知識・時間・労力が必要です。 費用は増えてしまいますが、ディーラーや整備工場に車検を代行してもらう方法もあります。
ただし、代行してもらう相手によって総額はまちまちです。ディーラー>整備工場>車検代行専門店>ガソリンスタンド>カー用品店の順で整備の安心感も違ってきますが、そのぶんだけ費用は逆の順序を示すでしょう。
安ければ良いというわけではありません。日々の仕事として使うことになるのですから、しっかりと整備して安心できる状態を維持したいものです。
ただし、日々の整備を怠っていなければ、急に不具合が出てくることもありません。長く使い込んだ車両でもなければ、ユーザー車検でも十分に安心できると言えるでしょう。
まずは、車検にどのくらいの予算を割けるのか検討してから、金額と整備内容を両天秤にかけて、自分に適した車検を選ぶのが得策と言えます。
黒ナンバーでは任意保険料が割高になる
税金などで優遇されている黒ナンバーですが、任意保険だけは自家用車よりも割高になります。
これは、自家用車よりも運転する時間および走行距離が増えてしまうことに起因します。 そのぶんだけ事故を起こす確率が高くなるため、黒ナンバーを取得している車両では任意保険料が高く設定されている、というわけです。
ネットで申し込めるダイレクト型の任意保険が増えている昨今ですが、黒ナンバーでは受け付けていない保険会社が多いため、代理店経由での申し込みになると思ってください(ダイレクト型で黒ナンバーを受け付けている保険会社もある)。
また、「黃色ナンバーのときの保険等級は引き継ぎできない」「年齢条件などの特約がない」ことも知っておくべきです。
全国自動車共済などの共済を使えば少しだけ安くなりますが、最低でも黃色ナンバーの2倍近い保険料になるでしょう。
黒ナンバーを取得し、運送業を始めませんか?
ここまで、黒ナンバーの取得方法から税金や保険について紹介してきました。
個人で運輸業を始めようとした場合、軽自動車による黒ナンバーが最適解であることがわかります。ただし、黒ナンバーだからといって、必ずしも車の維持費が安くなるわけではありません。
ネックとなるのが任意保険料です。
黒ナンバーは税金の部分で優遇されていますが、安くなった差額以上に保険料が増えることになるため、合算すると黃色ナンバーよりも割高になってしまいます。 加えて、日々の仕事で使うことになるため、消耗部品の交換は自家用車よりも頻繁に行うことになるでしょう。
とはいえ、黃色ナンバーのままでは運送業を始めることはできません。黒ナンバーの取得は、運送業を始めるための最低条件だからです。 黒ナンバーを取得する最大のメリットは、「運送業を始められる資格を得ること」です。
だからこそ、ユーザー車検の利用など、必要な経費の削減を検討してみてはいかがでしょうか。
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