運送会社を開業するには、法人と個人事業主のどちらが良い?
軽貨物での独立開業で運送業を開業したいと考えたとき、個人で開業するのか、あるいは法人化して開業したほうがいいのかと、悩む方はたくさんいます。
運送業界でデビューするにあたって、個人事業と法人のどちらで開業するか決めるには、それぞれのメリット・デメリットなど、特徴を理解してから判断することが大切です。
また、ご自分が置かれた状況によっても、その判断基準は変わり、他の人にメリットとなることが、自分にも当てはまるとは限りません。
そこで、今回はその判断材料となるべく、それぞれのメリットとデメリットをご紹介していきます。
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運送会社を開業するための基礎知識
運送会社には大きくわけて3つの種類があり、それぞれ事業内容や開業までの流れに違いがあります。ここでは運送会社を開業するにあたって必要な基礎知識をご紹介していきます。
運送会社の主な種類
荷主の荷物を有償にて運送する事業を「貨物自動車運送事業」と呼び、事業内容によって3種類に分類することができます。
- 一般貨物自動車運送事業
不特定多数(複数)の荷主の荷物を有償にて運送する事業です。 一般貨物自動車運送事業は自社ですべて作業をするか、自社で受注して下請けに運送を任せるかによってそれぞれ「特別積合せ貨物運送」「貨物自動車利用運送」に分類されます。
- 特定貨物自動車運送事業
特定の荷主の需要に応じる形で有償にて運送する事業です。イメージとしては荷主の自家輸送を代行する事業形態です。
- 貨物軽自動車運送事業
不特定多数(複数)の荷主の荷物を有償にて運送する事業です。軽自動車または二輪自動車を使用して運送します。
運送会社を開業する流れ
- 事業の種類を問わず共通する流れ
どんな事業であっても、会社設立時には行政書士事務所などに依頼して必要な書類の準備が必要です。
まずは会社を運営する上で必要な基本規則を定めた「定款」を作成し、公証役場にて認証してもらいます。 その後、事業を円滑に進めるために出資する資本金を口座に振り込みます。
最後に法務局へ会社の登記申請をして開業手続きは完了となります。
- 一般貨物自動車運送事業、特定貨物自動車運送事業
一般貨物自動車運送事業と特定貨物自動車運送事業を開業するためには、運送業の許可取得を申請しなければなりません。
運送業の許可に必要な用件を満たしているか確認し、申請書類を作成したら運輸支局に提出します。また、会社役員となる方は法令試験を受けて合格しなければなりません。
その後、許可申請を運輸局が審査して通貨すると、許可証が交付されます。交付後は登録免許税を納付すれば開業完了です。
- 貨物軽自動車運送事業
貨物軽自動車運送事業については届出制のため審査がありません。 申請書類や要件に特別な不備がない限りは開業できます。営業所、車庫、休憩室(仮眠施設)などの場所や運行管理責任者などを記載した貨物軽自動車運送事業経営届出書を運輸支局に提出します。
運輸支局での手続きに必要なものは他に、「事業用自動車等連絡書」、使用する軽貨物車の「車検証」、運賃を定めた「料金表」などがあります。
運輸支局にて必要書類が受理されて手続きを済ませると、軽貨物車に取り付ける営業ナンバーである「黒ナンバー」を取得することができます。 ちなみに、登録免許税は不要です。
軽貨物自動車運送事業は、先の2つの運送事業と違って会社設立手続きを経なくても個人事業主として開業できるため、ハードルが低く事業をスタートさせやすい形態です。
貨物軽自動車運送事業で、法人として運送会社を開業するメリットとデメリット
法人として貨物軽自動車運送事業を開業するにはどのようなメリット・デメリットがあるのか具体的にまとめていきます。
法人として運送会社を開業するメリット
法人として運送会社を開業するメリットとしては、まず社会的信用度が増えることで、銀行などの金融機関からの融資を受けやすいという事が挙げられます。
そして、仕事を得る場合にも、個人事業主の場合よりも荷主からの信頼を得やすく需要があるため、有利な条件の仕事を受注できる可能性が多くなります。 さらに、利益が出れば、個人事業主よりも多くの節税対策を行えるなどのメリットも小さくありません。
また、貨物軽自動車運送事業の場合には、一人で運営するよりも業務の効率化を図れることで、多くの依頼主からの仕事をこなすことが出来ます。 好不況による需要の増減、仕事量や依頼主の変動に対処できて、安定した収入を得ることが出来ます。
法人として運送会社を開業するデメリット
デメリットとしては、法人を設立するための費用が必要とされる事が挙げられます。 また、会社を設立し、開業するまでに必要な手続きが多いのも頭を悩ますことになります。
例を挙げると、法人化に必要な定款の作成、会社の登記、税務署や都道府県・市町村、労働基準監督署、ハローワーク、年金事務所に書類を提出など、その他にも運行管理を行う運行管理者を置かなくてはならないなど、諸々の書類仕事が待ち受けています。
また、法人化することにより、個人事業主の場合と比較して、会計処理が複雑化し、なおかつより制度の高さが求められる為、税理士へ依頼することになり、これも費用がかかることになります。
貨物軽自動車運送事業で、個人事業主として開業するメリットとデメリット
ここで個人事業主として開業するメリットとデメリットもご紹介しておきましょう。ざっくり言うとメリット、デメリットともに法人化の場合の真逆となります。
個人事業主として開業するメリット
まず、個人事業主として開業するメリットとしては、上記でご紹介した法人を設立するために必要な開業資金など、数々の費用がかからない、ということが挙げられます。 そして、貨物軽自動車運送事業なら、さらに次のようなメリットがあります。
それは、事業用の車両である軽自動車(バンやトラック)が1台あれば許可申請も簡単なので、運送業の実務経験がなくてもすぐにでも始められるという事です。
必要なのは他に普通免許があって、車庫が確保できれば良いのです。 さらに、一人でも働けるということは、会社勤めと異なり、出勤日や休日に縛られないため、自分の思うように仕事を受けて、そのために決断するのも自分だけですから、あらゆる決定が早く、いい仕事を受けるチャンスも逃しません。
個人事業主として開業するデメリット
個人事業主として開業するデメリットもあります。法人より規模が小さいことで社会的信用を得にくく、銀行からの融資が受けにくいということになります。 また、節税対策を取りづらいということもあります。
さらに、運送業許可を取得して開業した場合には、将来的に法人化したいと考えた時など、個人事業主から法人化する際に、手続きが多く、運送業許可の譲渡や譲受認可、法令試験の再受験なども生じます。 つまり、法人化して事業を行う可能性があるなら、最初から法人で始めるほうが手続きに関しては簡単です。
また、貨物軽自動車運送事業の場合には、自己負担する費用が多いことや、ガソリン代や車のメンテナンス費用がすべて自己負担となり、国民健康保険を始めとする社会保険料や、年金などは自分で加入する必要があるということです。
法人と個人事業主のどちらで開業するかを選ぶポイント
法人と個人事業主にはそれぞれメリット・デメリットがありました。 ここではそれらを踏まえた上で、実際にどちらで開業するべきかを選ぶポイントについてまとめていきます。
一般貨物なら法人、軽貨物なら個人事業主
一般貨物自動車運送事業などで運送業許可を申請して開業する場合、初めから法人を設立したほうがメリットは多いです。 個人事業主として開業する場合も、従業員や多額の資金が必要ですし、貨物軽自動車運送事業でドライバーが2名以上、車の台数も多いのであれば、法人設立を検討するのがおすすめです。
では、どういった場合に個人事業主が良いのかというと、車1台で運送業を始める場合。 少ない台数で一からスタートするならば貨物軽自動車運送事業を選択して、個人事業主として始めたほうが取り組みやすくなります。
軽貨物運送は他の事業よりも開業しやすい
当分一人でしか仕事をする気はないし、将来的にも人を雇うことはないと思い、一人で運送業を始めたい人には、自己資金も少なくて済む、貨物軽自動車運送事業がおすすめです。
他の業種で個人事業者として起業するよりはずっと簡単で、時間もかかりません。店舗も営業所も商品を保管する倉庫も、仕入れのための資金も用意しなくて済みます。
また、資格も普通免許さえあれば良く、年齢も経験も学歴さえも関係ありません。車と駐車場が準備できれば始めることが可能なのです。 そして、荷物を輸送することで、その仕事に見合った金額を受け取ることが出来ます。
運送会社の開業・フランチャイズを支援する「はこび屋本店」
新たに運送業を開業したいというドライバー向けに手厚い支援をする「はこび屋本店」についてご紹介します。始めてで不安を感じているという方はぜひ「はこび屋本店」にご相談ください。
はこび屋本店とは?
「はこび屋本店」は首都圏エリアに限定した地域密着型の軽貨物運送事業を営む会社です。
業務内容は多岐にわたり、法人契約のルート配送や定期便、チャーター便・スポット便、物流アウトソーシング(宅配代行・配送委託)、羽田空港・成田空港からの宅配便輸送など幅広く手掛けています。
はこび屋本店では独立開業やフランチャイズの支援も行っていて、ドライバーがお金をしっかりと稼げるような仕組みづくりに全力を注いでいます。
はこび屋本店がドライバーに行う主なサポート
はこび屋本店では新たに運送業を始めたいというドライバーに向けたさまざまなサポートを行っています。
事業を始めてみたいものの、運送業未経験で不安や疑問があるという場合、一番いいのは経験者や現役の方に話を聞いてみることです。 しかしそんな都合よく知り合いがいないのであれば、最前線で働く運送業のプロに聞くのがおすすめです
「はこびや本店」では開業前のサポートとして先輩ドライバーに同乗して行う研修や開業手続きに必要な流れの説明などのフォローをしています。
また、初めてこの業界に携わる方のために、軽自動車を使った運送事業の始め方、具体的な仕事の流れ・案内など開業に必要と思われるあらゆる情報を提供しています。
もちろんはこび屋本店では開業後のサポートも怠りません。継続した案件の紹介やさまざまなトラブルを相談できる電話サポートなどアフターフォローも充実しています。
開業したいという希望のあるドライバー向けにこうしたさまざまなサポートをしている「はこび屋本店」のHPでは、先輩ドライバーの体験談や売り上げなども公開しています。 ぜひご覧いただき、参考にしてください。
経験を積みたい、様子を見たいという方は軽貨物の開業手続きがおすすめ
運送業を開業したいと考えた場合、個人起業と法人起業にはそれぞれメリット・デメリットがあります。
そのため、絶対にどちらが良いということはなく、「自分にはどちらが合っているのか」を自由に選ぶことができるのです。 つまり、それぞれメリット・デメリットはもちろん、自分の置かれている状況や将来の目標などを冷静に把握して判断することが大切となります。
たとえば、すでに従業員の目処がついていて将来的に事業を大きくしたいならば法人化のメリットは大きくなります。確かに法人化の手続きは手間と時間がかかります。 しかし、個人で始めて後からまた法人化の手続きをとるのは二度手間ですし、将来的な事業拡大のスピード感が弱まります。
とはいえ、実際に運送業はどれくらいの収入を得られるのか、自分でもできるのか、そもそも自分に向いている仕事なのか、など不安に感じることも多いものです。 法人ではスタートさせてしまうと後戻りできないため、いきなり開業するにはハードルが高いと感じるはずです。
もし不安を感じていて、開業の一歩をなかなか踏み出せないのであれば、個人事業主として運送業をスタートし、様子を見ていくという考え方もありです。
実際に事業が好転し法人化している方の中には、個人事業主からスタートしている方も少なくありません。 仕事に慣れ、利益を順調にあげられるようになってから改めて法人化しても決して遅くはありません。
運送会社を開業するには個人事業主と法人、どちら良いのかさまざまな角度からご紹介してきました。法人化のメリットはたくさんありますが、個人事業主の手軽さも魅力的なものです。
実際にご自身にとってどちらが合っているのか、この記事を参考にじっくり考えてご検討ください。
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